バーナードループが撮れない

  • 2018.12.11 Tuesday
  • 19:42

昨日、この新月期で唯一天気がよく、また空の状態も良さそうなので遠征に行ってきました。

山口中部付近がちょうど雲の切れ間になっていたので秋吉台へ向かったのですが。。。

結果はご覧の通り。

 

題名「星空への階段」

 

見事に曇られました。

また撤収中にガイドカメラ用のコードを切ってしまい、修理が必要となりました。

本当に踏んだり蹴ったりの結果で成果らしい成果は無さそうです。

 

ちなみに今回はバーナードループを狙ったのですが、どうもこの対象にカメラを向けると曇ります。

何なのでしょうか。撮る時期が悪いのかなぁ。

いやいや、10月に撮影したときも曇られたし、うーん。。。

 

冬鳥ジョウビタキ

  • 2018.12.08 Saturday
  • 12:46

いやー、急に寒くなってきましたね。

今日は山口市内でも初雪(だと思う)が観測されました。

おととい洗車をしておいてよかったよかった。。。

 

それはともかく、また新たに望遠レンズを一本ほど買いました(←えっ?)。

そのテストのためちょっと小鳥の撮影に出かけたのですが、ちょうどジョウビタキと出会いました。

よく見かける鳥なんですが、今までなぜか機材を持ち出したときには出会わなかったです。

 

ジョウビタキ(オス)冬になると日本に渡ってくる。

 

この個体は比較的近寄ることができたため、まぁまぁよく写ったと思います。

身近な野鳥では比較的カラフルな小鳥ではないでしょうか。

ちなみにノイズ低減等はかけておらず、凝った画像処理はしていません。

トリミングは若干かけています。

 

ということで何を買ったか、そして今後どうしたいのかは動画のほうでお伝えしたいと思います。

お楽しみに。といっても結局型落ちの望遠レンズなんですけどね。。。

 

光学材料とその光学的性質(おもに屈折率)

  • 2018.12.04 Tuesday
  • 22:37

 

本日、Youtubeにてアマチュア光学講習会を開催しましたが、この記事はその資料となります。

是非あわせてご覧ください。

 

さて、本題ですが、今回は光学材料とその光学的性質についてです。

よくカメラレンズの比較で「これは異常分散ガラスが多数使われているから、

色収差もよく補正されているに違いない」と言っていますが、そもそも異常分散ガラスとは?

また高級望遠鏡やカメラレンズにはよく「フローライト」が使われていますが、

これはどういった物質でその光学的性質はどうなっているのでしょうか?

以上のような点をまとめたお話となります。

 

まず、光学ガラスの材質とその大まかな成分について述べます。

その主成分は無水珪酸SiO2で、ある光学ガラスを取り出すとその中におおよそ40〜70%含まれます。

一方で副成分はばらばらで、本当に様々なものが使われています。

ただし近年は環境や人体への影響を配慮して鉛やヒ素の使用を避ける傾向にあります。

また無水珪酸を全く含まない特殊ガラスも存在します。

 

さて特殊な例を除き、光学ガラスの大部分は「クラウン」もしくは「フリント」に分類されます。

クラウンはソーダガラスが元になっており屈折率が小さいと言う特徴があります。

その組成は無水珪酸が70%ほど、次に酸化アルカリが15%、酸化カルシウムが10%、さらに

酸化マグネシウムが数%、その他微量の別の化合物となっています。

もちろん組成を変えることで屈折率等の光学的性質が変化します。

一方でフリントは鉛ガラスが元となっており、クラウンとは逆に屈折率が大きいです。

名前の通り酸化鉛が60%近く、あとは無水珪酸が35%と残りは酸化カリウムでできています。

ただし、近年は鉛の使用を避け別の材質で同等品が作られているようです。

 

光学ガラスの重要な性質としてその屈折率が挙げられます。

その一部を動画のほうでは紹介したのですが、数字の羅列になりますのでこちらは割愛します。

ただし、波長ごとに屈折率が異なる点は後で重要となりますのでご注意ください。

 

波長ごとの屈折率がわかると、その光学ガラスの特徴を数字で表すことができます。

そのためにはいくつかの量を定義しておく必要があります。

まず平均分散についてですが、これは488nmのF線と656nmのc線に対する屈折率の差で定義されます。

なお、F'線とc'線を使う場合は明記しなくてはなりません。

次にアッベ数ニューディーの定義です。

これは587nmのd線に対する屈折率から1を引き平均分散で割ったものとなります。

 

 

ちなみにアッベ数の逆数は分散度と呼ばれ、名前の通り分散度は小さいほど各色に対する

屈折率の差が小さいです。

逆にアッベ数は大きくなるほど各色に対する屈折率の差が小さいです。

 

一方で部分分散比は波長の範囲によって様々な組み合わせが可能です。

そこでたとえばd線から435nmのg線までの部分分散比Pg,dは、次のように定義されます。

 

 

そしていよいよ異常分散ガラス、いわゆるEDガラスとは何か、についてです。

横軸をニューディー、縦軸をPg,dにとり色々な光学ガラスをプロットしていきます。

そうすると一部はその直線から大きく外れます。

このようなガラスを異常部分分散を持つガラスと言い、EDガラスと呼ばれることもあります。

文章だけではわかり難いでしょうから、実際のデータを下に作成したグラフをお見せしましょう。

 

 

ちなみに慣例的にニューディーは左へ行くほど大きくとるようです。

この直線はクラウンK7とフリントF2を通るように引いてあり、アッベ線とよぶこともあるようです。

確かに多くのガラスはこのアッベ線上に載るのですが、一部のガラスは大きく外れています。

これらが異常部分分散性を持つガラス、すなわち異常分散ガラスというわけです。

普段、EDレンズと言っているのは、これらのガラスを指して言っているのです。

 

このような材質でできたレンズの必要性ですが、天文屋の方であればご存知でしょう。

ガラス1枚では色収差が発生するため、少なくとも2枚のレンズを組み合わせなくてはなりません。

いわゆる「アクロマート」ですが、アッベ線上のガラスを使う限り色収差を消すことができません。

そこで少なくとも片方はEDレンズでなくては多色の色消しができないわけです。

 

さて、最後に高級カメラレンズ・望遠鏡などに使われる蛍石、いわゆるフローライトについてです。

材質はCaF2、フッ化カルシウムの単結晶でアッベ数が大きいと言う特徴を持ちます。

また紫外線から赤外線まで非常に透明です。

このフローライトは先ほどのグラフ上でどこに位置するのでしょうか。

次の図をご覧ください。

 

 

これから、アッベ線から大きく外れていることがわかります。

つまり異常部分分散性を示し、かつ色ごとの屈折率の差が小さいと言う特徴を持ちます。

なお、フローライトに近い性質を示すガラスのことをSDと呼ぶこともあるようですが、

EDとSDの境目は曖昧でまた明確に言葉の使い分けをしないこともあるようです。

いずれにせよ、フローライトは特殊な性質を持つ光学材料であることには変わりありませんが。

 

ただし、注意点もあります。その物性を調べると、

モース硬度はほぼEDと同じとなるのですが、熱膨張率が光学ガラスの3倍ほど大きいです。

この値は金属並みで、これからフローライトは熱ショックに弱いということになります。

また温度変化によってピント移動が起きてしまうこともあるようです。

さらに水1リットルに対して0.017g溶けるといわれており、水溶性となります。

従って極端には水没ジャンク品、多湿な環境下、雨天時に多用されたフローライトを含む

中古のカメラレンズor望遠鏡は大変危険です。

 

それでは今日の内容をまとめましょう。

まず光学ガラスの大半は無水珪酸を主成分としており、副成分を調整することによって

さまざまな光学的性質を示すガラスを作ることができます。

それらを特徴付けるために、アッベ数と部分分散比を定義しました。

それから異常分散ガラスの意味について述べ、特にフローライトは特異な性質を示す光学材料

ということがわかりました。

ただし物性的観点から取り扱いには注意が必要で、特に中古を買う際は注意しましょう。

Samyang35mmF1.2の登場〜天体写真に適したレンズか!?〜

  • 2018.12.01 Saturday
  • 21:42

今日からいよいよ12月、今年も残すところ後一月となってしまいました。

天体写真のほうも今月が終わると、とりあえずひと段落といったところです。

そんな中、また新たに天体適正の高そうなレンズが出てきましたので、その紹介をしたいと思います。

今回登場したのは次のようなレンズです。

 

Samyang XP 35mm F1.2

 

天文屋にとっては有名なSamyang、このメーカーからニューレンズが発表されました。

ちなみに発表は昨日11/30、発売予定は2019年1月と言うことです。

まずはこのレンズのコンセプトや基本スペックなどを見て行きます。

 

このレンズのコンセプトは、

「多少大きく・重く・高価になってもいいから8Kや5000万画素時代に生き残れるレンズを!」

Samyangといえば14mmF2.8に代表される、安価なMFレンズと言う印象でしたが

このXPシリーズはそこと一線を画す作りになっているようです。

14mmF2.4にはじまり、50mmや85mmなどもシリーズラインナップとして存在しています。

 

次に基本的なスペックですが、次のように記載されています。

・レンズ構成:10群12枚

・絞り羽根:9枚

・最短撮影距離:0.34m

・フィルター径:86mm

・最大径×長さ:93.0×117.4mm

・質量:1106g

・対応マウント:キヤノンEF

 

質量はなんと1kgオーバー!

35mmレンズはだいたい700g前後と言うことを考えると、このクラスでは重量級と言えるでしょう。

最も他のメーカーはF1.4ですから、明るくなった分、重くなるのも仕方ないのかもしれません。

 

さて、それではMTF曲線やレンズ構成図などからその性能を推し量って見ましょう。

尚、同社の「35mmF1.4 AS UMC」を比較対象とします

(便宜上こちらを旧35mm、新しく出たXP35mmF1.2を新35mmとします)。

まずはMTF曲線、左側が新35mm、右側が旧35mm、両者とも開放比較です。

尚赤線が10本/mm、グレー線が30本/mmです。

 

Samyang35mmのMTF曲線

http://www.samyanglensglobal.com/jp/index.phpより引用

 

これを見ると、細かい違いはあるものの大まかには似通っていることがわかります。

もちろん開放Fは違うのですが、旧35mmのほうが勝っているところもあります。

ちなみにF8のデータもありましたが、そちらは新35mmの完勝でした。

ただ、天文で使うことを考えるとF8まで絞ることはないですね。

せっかく開放F1.2であればF2、ちょっと妥協してもF2.8くらいで使いたくなります。

 

正直、このMTFだけを見せられると新35mmが大幅に良くなったとは言えないです。

しかしレンズ構成図をみると、その様相も変わります。

 

XP35mmF1.2

http://www.samyanglensglobal.com/jp/index.phpより引用

 

35mmF1.4 AS UMC

http://www.samyanglensglobal.com/jp/index.phpより引用

 

ここでEDは特殊低分散ガラス、ASPは非球面、HRは高屈折率レンズを意味します。

この図を見ると明らかに新35mmのほうが特殊ガラスの数が増えていますね。

また旧35mmではEDガラスが使われていません。

このため軸上色収差やパープルフリンジの発生が予想されます。

MTFだけでは色収差がどの程度出るかわからないので、こういったレンズ構成の確認も重要です。

(本当はスポットダイアグラムがあれば一番良いのですが。。。)

やはり新35mmは諸収差を低減するため、徹底した対策が施されているようです。

 

そして実際に買うとなると一番気になるのはそのお値段。

いくら「神レンズ」と言われても買えなくては絵に描いた餅です。

まだ発売はされていないのですが、今のところ実売価格は

10万円

まぁ、ちょっと無理をすれば買えなくはないかな?といったところ。

最近のあまりにお高いフルサイズミラーレス用レンズと比べれば、まぁ納得できる範囲だとは思います。

ちなみに旧35mmの値段はすでに5万円を切れていますので、2倍以上のお値段ですね。

 

 

さて、こちらの新レンズ、購入する価値はあるのでしょうか?

まず僕の場合ですが、実は「買っても宝の持ち腐れ」です。

なぜならまだキヤノンEFマウント用しか出ておらず、ニコンD810Aに装着して使えないからです。

このXPシリーズ、最初にEFが出て半年〜1年するとFが出てきますから、ニコンユーザーは待つ必要があります。

 

一方でキヤノンユーザーはどうでしょうか?

キヤノンには「最強の35mm」ともいえる「EF35mm F1.4L II USM」が存在します。

光学性能で言えばSamyangよりちょっと暗いのですが、しかしBRレンズ搭載モデルということもあり、

軸上色収差の補正能力はキヤノンのほうが上でしょう。

この35mmはモノクロでL画像が撮影できる、と言われるほどです。

ただ値段もすごくて、中古でも17万円以上、新品だと20万円を超えてきます。

そう考えるとSamyang35mmF1.2はパフォーマンスの割りに安い、いわゆるコスパが良いレンズと言えそうです。

 

値段的にはライバルはSIGMAのArt35mmF1.4になるでしょうか。

あちらの方が軽くできていて、オートフォーカスも使えます。

光学性能的にはSamyangのほうが良さそうですが、使い勝手は明らかにSIGMAのほうが良いです。

 

ちょっと話がばらけてしまいましたがこのレンズをオススメするのは次のような方です。

「純正の35mmが凄いのはわかるけど高すぎて買えない。

 10万円くらいなら何とかできるから、その範囲でなるべく高性能なレンズがほしい。

 ほぼ天体や三脚固定で静物しか撮らないからMFがあればじゅうぶん。

 多少重くなっても光学性能が高ければそれでOKなのサ。」

逆に普段の撮影でも使う予定があればSIGMAをオススメします。

35mmは準広角で使いやすい焦点距離ですからね。

 

今日はGFX50Rの発売日

  • 2018.11.29 Thursday
  • 23:39

GFX50R

 

1週間前はニコンZ6の発売日でしたが、今日はGFX50Rの発売日です。

フォトキナで登場した製品が次々と発売になっていますね。

 

こちらのカメラはなんといってもそのセンサーサイズが特徴的で、「中判」ミラーレスとなります。

またGFX50Sの廉価版と言う側面もあり、登場前から数々の噂が流れ注目を集めていました。

結局、廉価と言っても50万オーバーで安いとはいえないのですが、センサーサイズを考えると

これでも安くなったと言えるのかもしれません。

尚、「R」はレンジファインダースタイルを意味するものだと思われます。

 

さて、フジフィルムのカメラと言えばノーマルでもHαがそこそこ写ると言われています。

僕もX-E1を使った経験があるのですが、確かに他社のカメラよりは写る印象です

(EOS60DaやD810Aのような専用モデルは除く)。

もう少し細かいことを書くと、

「RAW段階ではそんなに変わらないが、JPEGの処理が上手く、よく写っているように見える」

このような特性を持つカメラなのでとくに星景写真やタイムラプスで威力を発揮するはずです。

 

これを受けてK-ASTECさんのほうでもGFX-50R用の専用レボルビング装置を開発するそうです。

重量も700g以下でフルサイズ一眼レフとそんなに変わらず、バランスも取れる範囲とのこと。

最終的に天体写真は「単位時間当たりに取り込んだ光の量」が勝負になりますから、

このようなサポートパーツも整えば50Rは強力な武器になりそうです。

まぁおいそれと手を出せるものではありませんが(光学系も高い!)。